好きな漫画は沢山ありますが、業田良家の「新・自虐の詩 ロボット小雪」は名作だと思います。

業田良家の漫画は「自虐の詩」や「空気人形」が映画になっていますが、この漫画は、それまでのものよりもっと読みやすく、映画を観ているように最後まで引き込まれてしまいます。

物語は一人一台のロボットを持っているような未来。

人間の恋人は面倒なので、みんな自分の思うように動いてくれるロボットを恋人にしています。

ある高校生の男の子拓郎の恋人の、ロボット小雪がこの漫画の主人公です。

小雪は旧型ロボットなので新型と比べると出来ない事や見劣りする事も沢山あるのですが、それがなんともとぼけた感じで可愛らしいんです。

そして拓郎も、なんだかんだ文句を言いながら小雪を可愛がっているのが微笑ましい。

そんなこちら側のほのぼのした生活の一方、川を一本隔てた「向こう岸」と呼ばれる場所には、経済的に失敗しお金のなくなった人達が送り込まれ、危険な仕事や悲惨な生活を強いられています。

そんな極端な格差社会の上になりたっている社会だったのです。

そんな中ロボットの小雪が活躍するのですが、この漫画を読んでいると、本当にそんな未来になりそうな気がして恐ろしくなります。

そして読み終わった後も、社会の事、未来の事、私たち人間の事を色々考えさせられます。